【会計】仮想通貨の会計処理│申告漏れにならないポイント

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仮想通貨のマイニングを実施することになりました。個人と法人、それぞれで行う予定です。 事業会社での経理、税務の経験を踏まえて、会計処理についてまとめてみました。

・注意点

仮想通貨は歴史が浅く、法律などの整備が整っていません。将来的に法改正や実務指針など公表されるはずですので、常に最新の情報を取得するようにお願いいたします。 本記事は、2021年6月6日時点の執筆です。 またご理解いただけていると思いますが、会計処理など全ての責任は、自己責任です。ご了承ください。

・個人と法人の違い

利益が出た場合、いずれも所得として取り扱われることになります。 個人の場合は、雑所得として計算します。累進税率で最大55%(所得税45%+住民税10%)の税金が発生します。 法人の場合は、他事業での所得計算と差異はありません。 仮想通貨特有の処理について理解する必要があります。

国税局、税務署の狙い

まずは、国税局、税務署がどのような考えをしているのかを理解する必要があります。 彼らも仕事ですので、より税金を納めさせることを目的としています。 もちろん、原則は法律に基づいた判断となりますが、目的達成時には、多少の解釈が入るでしょう。

2020年に金沢国税局が告発した件では、脱税とされる金額が数千万円であることから、準備万端で告発したことでしょう。一方、いわゆる個人レベルでの税務調査時において、仮想通貨の所得をどこまで調べ上げられるかは、利益の大きさと担当次第です。

仮想通貨取引は、国がその情報を把握しています。 これは、株式取引などと同様です。取引をする上で使用しているサービスを提供している会社が、報告しています。 ※「暗号資産交換業者に関する内閣府令」などが該当します。

脱税がバレるバレないという発想は間違っています。基本はバレています。 適正な確定申告をおすすめします。

・仮想通貨の売買損益

取引所によりますが、取引報告書が自動作成されます。 今回は説明を省略します(そのうち記載するかもしれません)。

・マイニング時の会計処理(国税庁
マイニング時の会計処理は、国税庁が以下のように公開しています。

2020年12年20日 国税庁 - 仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報) 6 仮想通貨をマイニングにより取得した場合 問 仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は所得税又は法人税の課税対象となりますか。

答 仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は所得税又は法人税の課税対象となります。 いわゆる「マイニング」(採掘)により仮想通貨を取得した場合、その取得した仮想通貨の取得時点の価額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額(法人税においては益金の額)に算入され、マイニングに要した費用については所得の金額の計算上必要経費(法人税においては損金の額)に算入されることになります。

・マイニング時の収益認識

マイニングをしたときの時価に基づき、収益を認識します。 マイニングをされた人は分かると思いますが、仮想通貨は24時間365日取引されています。 常に値段が変化していますので、いつの時価を用いればよいか、判断に迷うと思います。

検索したところ、ビットフライヤーのサイトから、終値一覧を日次で出力できます。 マイニングを日次で集計しておき、日次の終値から算出するのが妥当かと思います。

ビットフライヤー - 終値・SQ一覧 https://bitflyer.com/ja-jp/prices

他のサイトでも出力できるかもしれませんが、おそらく値段が同一ではないはずです。 機能面に不満がある場合がありえますが、常に同じサイトから情報を取得するようにしましょう。

・マイニング時の期末処理

仮想通貨の会計処理としては、期末処理がポイントです。 収益認識が適当でも、期中でマイニングした仮想通貨を売却していれば、差引金額に影響はありません。

1円でマイニング、100円で売却した場合(電気代は無視) マイニング時: 有価証券  1円 / 売上(マイニング)1円

売却時: 現金  100円 / 売上(売買)99円        / 有価証券   1円

1,000円でマイニング、100円で売却した場合(電気代は無視) マイニング時: 有価証券 1,000円 / 売上(マイニング)1,000円

売却時 現金  100円 / 有価証券 1,000円 売却損 900円 /

勘定科目は適当です。事業外収益であれば売上ではなく雑所得などになります。

期末にマイニングした仮想通貨を保有しているときは、時価評価して、取得時との差額を損益に認識することができます。

1円でマイニング、期末の時価が100円の場合(電気代は無視) マイニング時: 有価証券  1円 / 売上(マイニング)1円

期末: 有価証券  99円 / 差益 99円

1,000円でマイニング、期末の時価が100円の場合(電気代は無視) マイニング時: 有価証券 1,000円 / 売上(マイニング)1,000円

期末: 差損 900円 / 有価証券 900円

まとめ

法改正など、情報更新する必要がある場合、適宜更新していきます。 納税に与える影響が大きいので、確定申告の時期にあせらないようにしていきましょう。