【会計】白色申告から青色申告への移行。

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ココナラで活動をするにあたって、個人事業主の方から、白色申告から青色申告に切り替えたいというご相談をいただきました。
今回、青色申告へ変更する場合の留意点をまとめてみました。

青色申告とは

青色申告へ移行することで、最大65万円の控除を受けることができます。青色申告の控除は、65万円の利益が出ていた場合、65万円の控除をすることで、利益を0円として計算することができます。

税率が20%の場合、13万円分の効果となります。
一方で、青色申告とするためには、複式簿記という計算をする必要があります。
複式簿記においては、損益計算書以外にも、貸借対照表を作成する必要があります。また、後述する発生主義にて処理しなければなりません。

白色申告から青色申告への移行時の注意点

前提として、白色申告と青色申告との違いについて理解していただく必要があります。大きな違いは、会計処理です。
白色申告は現金主義、青色申告は発生主義での対応です。

現金主義とは

現金主義は、売上の場合は実際にお金を受け取った日をもって売上として計上する方法です。納品した翌月に入金がある場合、入金された月に売上を計上する方法です。

2019年12月に売上が発生しており、2020年1月に入金された場合、会計処理としては2020年1月に売上を計上します。

発生主義とは

発生主義は、売上日と入金日にズレが発生する場合、売上という行為が発生したタイミングで売上を計上する方法です。納品した翌月に入金がある場合、納品した月に売上を計上する方法です。

2019年1月に売上が発生しており、2020年1月に入金された場合、会計処理としては2019年12月に売上を計上します。

移行時の具体例

2019年は白色申告、2020年は青色申告の場合
※わかりやすくするために、入金は売上(納品)の翌月入金とします。

2019年における申告は、2019年に入金された売上を対象として申告しています。取引としては、2019年1月~2019年12月に入金されたものが対象です。

2020年における申告は、2019年に入金された売上を対象として申告しています。取引としては、2020年1月~2020年12月に納品したものが対象です。

ここで問題となるのが、2019年12月の取引です。2019年12月に納品しているので、入金は2020年1月となります。そうすると、白色申告から青色申告への移行にあたって、双方の会計処理にズレがあることから、計上漏れが発生してしまいます。

2019年の確定申告においては、「2019年12月に売上、2020年1月に入金」の取引は白色申告には計上していません。よって、「2019年12月に売上、2020年1月に入金」の取引は、2020年の収入として処理する必要がありますで、注意が必要です。

根拠

調べてみると、今回のような事例は、「所得税法施行規則」第40条が根拠となっていました。詳細は、以下からご確認ください。

elaws.e-gov.go.jp

まとめ

売上の調整が発生するということは、経費の調整も発生することになります。移行する際には、従来の収入よりも多くの収入を計上する必要があります。できるかぎり節税をするためにも、計上できる経費は漏れのないように計上しましょう。

青色申告には、複式簿記への対応が必要です。複式簿記には、一定の知識が必要となります。ここがハードルとなって、導入を躊躇されているかたもいらっしゃるのではないかと推察します。
青色申告にすることで抑えられる税金を概算で計算してみて、青色申告に切り替えるだけのメリットがあるかどうか、試算してみてください。もし、自分で対応できないということであれば、税理士や会計事務所などへの外注対応でも問題ありません。外注費よりもメリットのほうが大きければ、その差額が実際のメリットとなります。